(2007/09/14付朝日新聞朝刊記事他より)
東京海洋大学の吉崎悟朗・准教授らは、
ヤマメのつがいからニジマスを産ませることに成功し
14日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
サイエンスといえば世界で最も権威がある学術雑誌で、
ここに発表するということは、東京海洋大の研究が
正式に認められたことになります。
この研究とは、ニジマスのオスから精子の元(精原細胞)を
取り出し不妊処理したヤマメの稚魚の腹部に入れた。
すると本来性成熟しないはずの稚魚が、
それぞれニジマスの精子をもったヤマメのオスと
卵をもったヤマメのメスに成長するというもの。
ここで注目なのは精原細胞はオスの物なのに
ヤマメの稚魚がメスならニジマスの卵が、
ヤマメの稚魚がオスならニジマスの精子が
できるところでしょう。
そしてこのニジマスの特徴を持ったヤマメから
生まれる子供は全て正常なニジマスだったという。
また、実験に際してヤマメに施した不妊処理とは
染色体の数を2組から3組に変更した「3倍体」というもので、
成長しても通常は精子や卵はできないはず。
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ところがここに精原細胞を移植すると
正常なオスとメスに成長するというのが、
まだ解明されていないメカニズムなのだそうです。
そしてこの研究は5年後には
サバにマグロを産ませることが目標だそうです。
水産資源の枯渇が問題になりつつある今日では
大いに期待できる研究といえます。
さらに食料としての水産資源の増産目的だけでなく、
絶滅危惧種を別の魚に生ませて
復活させることもできます。
(ただし元となる絶滅危惧種が1匹もいなくなったら無理ですが)
またこの実験の主な内容は
他品種の子供を産ませるということですが、
実は不妊処理した稚魚が精原細胞によって
正常に育つという面も大きな注目部分ではないでしょうか。
今回は人工的に不妊処理を施したわけですが、
これがそもそも不妊状態の生物を正常な大人に
育てられるとしたら?
遺伝子工学ではまず簡単な実験から始め
次第に高等な生物へ応用していくのが常識です。
となると、将来は人間の不妊治療への
基礎研究に役立つのでは?
などと勝手に想像してしまうのですが、
はたして今後どうなるのやら…
白人を産む黒人とか黒人を生む黄色人種とか
出てくるんでしょうか?
といっても人間の場合はすでに随分前から
一部の海外ではやってますね。
まあそれはクローンの類ではないのですが、
例えば妊娠に問題のある母親から卵子を取り出し
人工的に受精させて、別の成人女性の子宮に移植する。
すると生まれてきた子供は、あたりまえですが
遺伝的に本来の親の遺伝子を継いでいて、
生みの母とは遺伝的に関係ないというやつです。
この場合は黒人が白人の子供を
産んだりしてるわけですね。
いつの間にか遺伝子工学も
すごいことになってきてます。
絶滅危惧種の管理人を 誰か再生してくれないでしょうか?